御曹司は恋の音色にとらわれる
「高橋さん、同じ苗字なんですね」

「はい」

人と接するプロとして、笑顔と優しい雰囲気をまとっているが、
どこか私を拒絶する色を感じ、そのまま話しを促す。

「拓様とお付き合いされているのですね」

「はい」

「お願いがございます」

そう言って、2枚の紙を差し出した。

私はそれにざっと目を通す。

拓の一番上の兄、翔(しょう)の息子、優斗(ゆうと)君、
5歳の誕生祝いと書かれていた。

ちなみに、2番目の兄は朗(ろう)と言う名前。

「そのパーティで演奏していただけませんか?」

「どうして?」
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