御曹司は恋の音色にとらわれる
「最高の、演奏をして下さい、
 拓様を狙っている令嬢だけでなく、
 私もこの人なら仕方ないって思える程に」

「そうね、皆に認めてもらった方が、
 拓の負担も少なくなるし。
 何より、誕生日の優斗君の為に頑張るわ」

「優斗様の為ですか・・・余裕なんですね」

「そう?」

「分からないんならいいんです、
 散々自分本位の令嬢を見てきましたから、
 そうじゃないと、立っていられないって言うのもありますが。

 あの、怖くないんですか、釣り合うかなとか、
 相手がルソーグループの御曹司と知って」

「拓は拓だもの」

「やっぱり余裕なんですね・・・・
 泣いてしまってすみません、なんかすっきりしました、
 諦めようが分かった気がします」
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