御曹司は恋の音色にとらわれる
ステーキを食べつつも、視線は譜面台の曲のリストへ、

「曲は、これと、これと、それからこれがいいかな、あとこれも」

リストを指さしていく。

「いいんじゃないですかね」

中條さんがうなずき、あっさり決定。
だいたい、いつもこんな感じ。

ステーキを頬張っていると、マスターが話かけてきた。

「いつもの彼、いるかな~」

「ああ、美華ちゃんラブな人ね」

中條さんもうなずく。

「もう2か月ぐらい?」

「多分、それぐらいかな」

わさびが効いたのか、中條さんが顔をしかめながら答える。
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