御曹司は恋の音色にとらわれる
その男の子、優斗君の元へ行って、前で膝を折る。

「お誕生日、おめでとうございます」と言うと。

「ありがとうございます」とペコリと頭を下げた。

ちゃんとしたものの言いようではあっても、
動作は幼く、自然に微笑みが出る。

「プレゼントがあるんです」

「何?」

そう言って立ち上がり、演奏する。

演奏したのは、ガオレンジャーのテーマ曲、
優斗君の顔に笑顔が広がり、本心から嬉しそう。
そして、手配していたガオレンジャーのおもちゃを手渡す。

「やったあ!」

「こら、優斗」

父親の翔が注意をする。

すると畏まって。

「誠にありがとうございます」

と優斗君がお礼を言った。

「どういたしまして」

本当に可愛い。
< 81 / 102 >

この作品をシェア

pagetop