御曹司は恋の音色にとらわれる
ニコロ・パガニーニ、

1782年生まれ、1800年代活躍した、イタリアのヴァイオリニスト。

5歳の頃からヴァイオリンを弾き始め、
13歳になると学ぶべきものがなくなり、
自作の曲で演奏した程。

有名なのは、あまりもの上手さに、

「パガニーニの演奏技術は、悪魔に魂を売り渡した
 代償として手に入れたものだ」

と言われた事だろう。

そんな彼が作曲した曲は超絶技巧で知られている。

顎だけでヴァイオリンを挟み、両手を下ろす、
周りから、「おお」や「まあ」と言った言葉が聞こえる。

意識を集中する、いつもの心地良い緊張。

ずっとヴァイオリンと一緒だった。
ヴァイオリンに人生を賭け、
ヴァイオリンで人生を切り開いてきた。

両親の思い、私の演奏が好きだと言ってくれた拓の言葉、
ふと、万美さんと目が合う。

負ける訳ないでしょう?

会場の人、全てに自分の音を届ける。
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