御曹司は恋の音色にとらわれる
「約束する、これからもずっと、美華だけだから、
 ずっと好きでい続けるから、だから・・・」

拓の手が、私の手からシャンパンを取り上げ、テーブルに置く、
そのまま私の腕を掴み、ぐいっと自分の胸に抱きよせる。

私の胸はずっと高鳴ったまま、
せっかくの拓の言葉も夢心地で、本当に現実かなと、
不安になる程。

「俺の傍にいて」

しばらく返事をしない私に、少し胸を離して顔を覗き込む。

「美華?」

私の目に涙が浮かんでいるのに気が付いたのだろう。

私は、ただ、こくこくと首を振り、返事を必死に伝える。

「もう、離さないよ」

顔が近づき、唇が重なる。
次第に口づけは激しくなり、舌を絡ませあい、
お互いの息も切れ切れになる。
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