キスすらできない。
別に…嫌なわけじゃないのよ。
寧ろ、好きな人であるのだから本能的にも触りたくて。
もっと触ってもほしくて…。
ただ、いかんせん私と先生の元来の関係性がね。
【先生】と【ピヨちゃん】
【大人】と【子供】
な、わけでして。
私の成長を親の如く隣で見守ってきた先生と、あんな艶かしい関係になるとかどうにも気恥ずかしさが湧いてしまう。
この際、自分の裸を見られる云々はどうでもいい。
問題は先生の裸体に耐えられる免疫が私にあるかって事なんだって。
「先生の裸……」
駄目だ。
想像しようとしただけで意識が逃げる。
夫婦になっだ後も極力裸体には遭遇しないように過ごしてきたのが仇になったか…。
妄想でさえこの構えであるのに、見て触るなんて事態に私はまともに機能できるんだろうか!?
なーんて、年甲斐もない葛藤を下着片手に数分も繰り広げていれば。
周りからは真剣に下着選びに迷っていた様に見られていたらしく。
可愛い定員のお嬢さんに『このデザイン可愛いですよね〜』なんて、声をかけられた事で我に返ったのだ。
結果…迷ってたヤツ二つとも買ってきちゃったし!
これまた家でどっち着けるか迷うパターンじゃない!?
ああ、もう、絶対にもう今日は仕事にならない。