想い花をキミに
"話したくない"

向けられた背中がそう語っている気がした。
答えない気だ、でも今日こそは答えてもらわなくちゃ。

一緒に生活しているんじゃなくてこんな感じだったら私もここまで気にはならなかったはず。
だけど今はこうして一緒に生活している身なんだから、こんな怪しい行動をとられてちゃこっちの身が持たない気がするから……

「隼太、私は怒ってるんじゃないよ?ただ知りたいの。別に隼太が浮気してるとかそんなことは思ってないし、連絡もないとちょっと心配するっていうか……」

「連絡はちゃんとした。」

そうだった。前に「私が心配したんだから」ってふてくされて以来、ちゃんと隼太は「遅くなる」って連絡をくれるようになった。

「連絡は、たしかにもらったよ。でもここ最近こういうのが頻繁だし、何してるのかなって私が思う気持ち、分かるよね?」

「……」

できるだけ責めている感じにならないように言ってみたものの、やっぱり隼太は朝帰りの理由を語ろうとはしなくって、

「私には言えないってこと?」

やっぱり私は不機嫌になった。
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