想い花をキミに
本当に性格が腐っている。
どこまで私を苦しめたら気が済むの。

悔しくて私は下唇を噛みしめた。

だけど不意にある疑問が浮かんできた。
どうして突然私を呼び戻そうなんて思ったんだろう。
私はあの人が欲しがるものなんて何一つ持ってないのに。

強制的に実家に連れ戻されはしたものの、私は隼太の家へと毎日通っていた。
あの人も「家に帰ってさえくればいい」と隼太に会うことまでは止めなかった。
だから余計に隼太に会いたくなって、あの人がいない日はこっそりお泊りもしてた。

全部無駄な悪あがきだってことも知らずに──。


そんなある日、

「あんた、まだあの男に会ってるの?」

突然フラっと私の部屋にやってきたあの人は、ドアにのっかかるように腕を組んで立つと、意味深な笑みを浮かべながら聞いてきた。

「関係ないでしょ。」

この人は何がしたいんだろう。
ぶっきらぼうに言い返した私にあの人は、

「顔を見たけど、あんたが好みそうな感じよね。あんたの母親もあんな感じの父親を選んだんだから。」

と小ばかにしたように言う。

「だから何だって言うの……。ってか、いつ彼に会ったの……?」

嫌な感じが胸をよぎる。

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