想い花をキミに
翌朝目覚めると、隼太はもう先に起きていて、私が目覚めるのを待っていた。

「ずっと見てたの?」って尋ねたら、「勝手にいなくなったら寂しがると思ったから待ってた」っていう言葉を聞いてますます隼太が好きになった。

朝から幸せな気持ちで布団から出られる。
朝のやり取りを思い出すだけで1日中幸せ気分でいられそうだし、勝手に顔が緩みだしそうにもなる。

こんな日がずっと続けばいいのに。
だけどこの願いは叶わないってことを私は知ってる。

見たくなかったけど思い切って携帯電話を開いてみたら、予想通りすごい着信履歴の数。
50件以上ある。
全部あの人からだ。

私が家を飛び出した原因はそもそもあの人なのにこうして電話してくるなんて。

しかもメールには、

"また警察に連絡してもいいのか"

とか

"今日中に帰ってこなかったら二度と会えないようにしてやるからね"

とか私を脅すようなそんな内容ばかり。

せっかく幸せな気持ちでいたのにこんなのを見てしまったから気分は最悪だ。

「はやたぁ……」

私は悔しい様な腹立たしい様な気持ちになり、つい隼太にすり寄ってしまう。

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