想い花をキミに
「は……?」

彼の行動の意味が全然分からなくて、今度は私が唖然とする番。

「いや、自分の弱いところを認められてえらいなーって思って。」

「え、偉い?」

いきなり褒められたから、私の頭の中はますます混乱し始めた。
目を丸くしている私に、彼はまるで子供に語りかけているかのような口調で続けた。

「強い人間ってさ、だいたい自分の弱いところを認めないっていうか良くみせようとして威張ったりするだろ?だけどお前は自分が一人じゃ生きられない人間だってちゃんと分かって認めてる。それだけで十分すごいことだと俺は思うよ。堂々と自分は弱いですって言えるやつは逆に強いなって思うけど、お前はどう思う?」

そんなこと聞かれても、何も言い返せないよ。そんな風に考えたこともなかったから。弱かった自分を初めて肯定してもらえた気がして、少し胸が熱くなった。

「そんな風に思ったこと、一回もなかった。」

「そうだろ。」と言った後に彼は、「不器用そうだもんな。」と続けて、また冗談っぽく笑った。

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