想い花をキミに
「身分が違う人と一緒になっても引け目を感じて辛いだけだし、何より最初から跡取りだって知っていたら付き合わなかったよ。」

ごめんなさい。こんなことを言いたいわけじゃないのに。

「そもそも私が貧乏でお金がないのを知ってかわいそうだから付き合ってたんじゃないの?自分はお金たくさん持ってるもんね。」

違う。隼太がそんな人じゃないことは私が一番よく分かってる。

「そんなに恵まれた環境にいながら自分でそれを捨てようとするなんて信じられない。私だったら絶対にそんなことしないよ。」

全部私のためだって分かってる。

「あと。別れるって言ってるのに諦め悪いし、こうやって待たれてるのも本当に迷惑なの。」

顔を見れただけで嬉しいのに。

「やめろ。そんな思ってもないこと言うな。」

隼太の声も震えている。

「ほんとだよ。本当に迷惑なの。」

「やめろ!」

隼太がせがむように私を抱きしめ、「頼むからやめてくれ」と呟く。
だけどこの腕はもうその身体を抱きしめることなんてできなくて、
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