想い花をキミに
不器用って、初対面なのにほんと失礼ね。
ズケズケと本音を言ってくる彼に完全にペースを奪われてしまい何も言い返せないでいると、口元に笑みを浮かべたままの彼が、

「今はさ、ほんとに取りあえずでいいから生きてみろ。絶対にその方がいいから。やりたいことが見つかるまで、な。」

と言い、今度は一回だけポンっと私の頭に手を乗せた。

それだけなのに、どうしてか私は素直に「はい……」って言っちゃったの。
彼のまっすぐな言葉とその瞳にはどうしても逆らえないような気がした。
それに初めて誰かに自分が死を望んでいたことを話すことができて、少し心が軽くなった気もした。

不思議。今まで感じたこともないような温かい気持ちになってる。
誰かに自分の胸の内を話すって、こんな気持ちなんだ。

それに彼の行動の一つ一つが私の鼓動が速くするような気がするの。
私の頭をポンってするのもそうだし、優しいと思ったら口がちょっと悪くて、でも笑った顔はちょっとかわいいような。

この気持ちは何だろう。

ドキドキして理由もなく隠れたくなるような気分になるけど、もっとこのドキドキを味わいたいと思っている自分もいた。

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