想い花をキミに
それからあっという間に冬が終わり、隼太の卒業式の日を迎えた。
諦めの悪い私は、見つからないように帽子を深くかぶりながらこっそり正門まで行ってしまった。
もちろん会うつもりも声をかけるつもりもなかったけど、だた最後に彼の姿をこの目に焼き付けたい、その気持ちだけでここまで来たの。
しばらく遠くから眺めていると、大勢の生徒に紛れて隼太が出てくるのが見えた。
胸にピンクの花をつけ、赤い花束と卒業証書を入れた筒を片手に持って友達と歩いてくる彼の姿が眩しかった。
「卒業おめでとう。」
私は小さく呟いた。
大勢の女の子たちに声をかけられ一緒に写真を撮るようにせがまれているみたいだったけど、苦笑いしながら不愛想にそれをかわしていく所が相変わらず隼太らしくて思わず笑ってしまった。
そして私は、彼が駐輪場へ向かい自転車を持って出てくるのを待った。
その理由は、私から隼太への最後のプレゼントがあるから。
たくさんの愛情と幸せをくれた彼へのお返し。
それはさっき彼の自転車の籠へ置いてきていた。
いつも見ていたから駐輪場に入った時もすぐに分かった彼の自転車。
どれが彼のであるかすぐに分かってしまう自分の事を、誇らしく思ったの。
こんなに隼太の事を見てたんだなって実感できたから。
諦めの悪い私は、見つからないように帽子を深くかぶりながらこっそり正門まで行ってしまった。
もちろん会うつもりも声をかけるつもりもなかったけど、だた最後に彼の姿をこの目に焼き付けたい、その気持ちだけでここまで来たの。
しばらく遠くから眺めていると、大勢の生徒に紛れて隼太が出てくるのが見えた。
胸にピンクの花をつけ、赤い花束と卒業証書を入れた筒を片手に持って友達と歩いてくる彼の姿が眩しかった。
「卒業おめでとう。」
私は小さく呟いた。
大勢の女の子たちに声をかけられ一緒に写真を撮るようにせがまれているみたいだったけど、苦笑いしながら不愛想にそれをかわしていく所が相変わらず隼太らしくて思わず笑ってしまった。
そして私は、彼が駐輪場へ向かい自転車を持って出てくるのを待った。
その理由は、私から隼太への最後のプレゼントがあるから。
たくさんの愛情と幸せをくれた彼へのお返し。
それはさっき彼の自転車の籠へ置いてきていた。
いつも見ていたから駐輪場に入った時もすぐに分かった彼の自転車。
どれが彼のであるかすぐに分かってしまう自分の事を、誇らしく思ったの。
こんなに隼太の事を見てたんだなって実感できたから。