想い花をキミに

土曜日のデートを終えてから、私の頭の中はもうお祭り状態。

何度もあの光景がフィードバックしてきて、誰かに見られているわけでもないのに突然後ろを振り向いて誰もいないことを確認してみたり、急に恥ずかしくなって隠れたくなったりと様々。

それはどこにいても変わらなくて、

「あさかさんちょっといいかしら。」

と専門学校の担任の先生に呼び出されるまで続いていた。


「はい、すいません……」

立ったままがっくりと肩を落として、淡々と語る先生の言葉を聞いている私の前には一枚の紙が広げられていた。

その紙の右上には大きく、D判定の文字。

「いいですか。今は11月下旬でもう国家試験まで二か月を切ろうという時に、こんな成績でいていいと思ってるんですか。今まであなたは優秀な成績を修めてきたというのに、どうしてまた今回はこんなに下がってしまったのか不思議だわ。悩み事でもあるの？」

先生の問いには思い当たる節がいくつもあった。
隼太の事があってから、全然勉強に集中できていなかったもんな。