想い花をキミに
カリカリカリカリ、ボキッ、カリカリカリカリ、ボキッ

あれから一生懸命机に向かっているけど、どうしても集中力が続かなくて何度もシャープペンの芯を折っている。
だって最初は「勉強しなきゃ」って思って真面目にやってるんだけど、途中でまたあの時のことを思いだしてシャーペンを持つ手に力がこもって芯を折る、こんな感じの繰り返し。

ノートの上には折れた小さな芯かたくさん散らばっている。

「あー。ダメだダメだ。全然集中できない。」

参考書を放り出して私は布団に寝っ転がった。

「しっかりしなさいって言われても、考えちゃうんだもん。」

先生、人間の思考を止めることは不可能です。
それに好奇心だって抑えられるわけないよ。

私は隼太の気持ちを知りたいの。

多分隼太も私に気持ちが残ってるからバイト先に来たりデートに誘ったりしてるんだよ。そうだよ。それしか考えられない。

だから私ははっきり確かめたいの。
ちゃんと彼の口から「まだ私が好きだ」って聞きたいの。

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