想い花をキミに

love stage2. 15センチの視線

翌朝目を覚ますと、私はベッドの上にいた。
なぜか腕や足には包帯が丁寧に巻いてある。
起きたばかりの私の嗅覚をリビングから漂ってくる淹れたてのコーヒーの香りが刺激してくるから、途端に空っぽのお腹がぐうっと鳴り出した。

「あ、起きたか。おはよ。」

「あ、おはよう。」

私がベッドから起き上がると同時に隼太が顔を覗かせた。

「この包帯、手当てしてくれたの?ありがとう。」

「全然。まあ、思ったより傷が多くてびっくりしたけどな。」

「そうだよね……」

気持ち悪いもの見られちゃったな。

こんな傷、そうそうあるものじゃないからね。

「本当は腹とか背中とかにもあるんだろうけど、勝手に見るわけにもいかないし手足だけ消毒したけど、そこにある救急箱好きに使っていいからな。」

と言いながら、俯きかけた私に気づいたのか隼太が明るい声でを出した。

「ほら、シャワー浴びて来い。それで朝ご飯にするぞ。立って立って。」

と私を急かして立ち上がらせると、シャワー室へと案内してくれた。

「タオルとパーカーは俺ので良ければ使って。」

「あ、ありがと。」

「ゆっくり入れよ。」

そういって隼太が出ていったから、私は手足に巻かれた包帯をゆっくりほどいて、着ていた洋服を脱ぎ始めた。

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