想い花をキミに
でも甘い時間はそこまで。

「まずは勉強に集中しろよ。」

私の模試の成績を知った隼太は、情けないといった顔をして、「試験が終わるまで会いに来ないからな」と言い残して帰ってしまった。

「そんなー!」

これも自業自得だ。途中で勉強をサボってしまった自分が悪い。
それでも試験が終わるまで会わないなんて酷過ぎるよ。
だって試験までは2か月しかなくても、隼太に会えるまでって考えたら2か月もって思えるんだもん。

物事は捉えよう次第ってこういうことだよね。

でも看護師になれなかったら隼太を支えていけなくなるってことだから、それは絶対にダメ。
なにがなんでも合格しなきゃ。
隼太のためって思えたら何か頑張れそうな気がしてきたよ。

物事は捉えよう次第、だからね!


その日から私はひたすら机に向かった。
お風呂に入る時間さえもったいなくて、シャワーで済ませて勉強した。
こういう時、深夜のバイトをしていたせいか睡眠が多少少なくなっても平気でいられるのはいいよね。

今まで真面目に授業を受けていたから案外すんなり理解できるし、元々模試の成績が下がったのだって問題に集中できなかったってだけで、頭が悪いからってわけじゃないんだから。
だから成績はすぐに元に戻って、私に長々お説教をしていた担任からも「やっと本調子になったようね。頑張りなさい。」と言ってもらえた。
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