想い花をキミに
「いってえーー」

「ごめんなさいっ!」

「「あ!」」

二度目に声が重なった時、私たちはお互いが置かれた状況を理解した。

何一つ衣類を身にまとわず生々しい傷をさらした状態で隼太の上に乗っかっている私と、押し倒されたことで肘やら背中やらをぶつけ眉間にしわを寄せながら私を見上げる隼太のこの状況。

やばい。

至近距離で交わる二人の視線。

その距離わずか15センチ。

彼の瞳に中に驚いている自分の顔が映っているのが見えた。

「ご、ごめん……!」

「見ないで!!」

咄嗟に私は隼太の後頭部に腕を回し抱きついた。

「お願い……見ないで。」

こんな傷、醜すぎて見られたくない。

回した腕にぎゅっと力を込め、必死で見られないように彼の視界を遮る。

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