想い花をキミに
「ううん、そんなことない。あばさんはいつも私に優しくしてくれた。初めて会った時から他人とは思えなかったのはそういうことだったんだね。おばさん、泣かないで。もう家族なんだから、一緒にここから始めよう。」

「亜砂果ちゃん......」

私たちはお互いに涙を拭って笑いあった。

その様子を見ていたあの人は、「ふざけんじゃない、ふざけんじゃない。」と言って悔しがっていた。

だけどもう言い返す術がなかったようで、くるっと向きを変えると、足音を立てながら会場を去っていった。
それと同時に会場からは割れんばかりの歓声と拍手が起こった。

「一件落着ってとこかな。」

「そうだね。」

ほっとした表情で隼太が私を見つめる。
今日から私は新しい生活が始まるんだ。
長い間私の心を支配していたあの人の呪縛が解けて、今はすごく気持ちが軽い。

こうして隼太のお披露目会は、思いがけないプロポーズと予想外の一発逆転とともに幕を閉じた。









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