想い花をキミに
隼太といると時間はいつもあっという間に過ぎていくから、公園までの道のりなんて10秒くらいにしか感じられないの。

公園に着くとそこにはたくさんの花が咲き乱れていた。

「わぁ、冬とは全然違うね。すごくきれい。」

こんなにたくさんの花が咲いてるなんて知らなかった。

私たちはまだ種が眠っている真冬にこの場所で出逢い、花が美しく咲くようにと時間をかけてお互いの想いを確かめ合ってきた。

時にそれはすれ違い、ぶつかり合うこともあったけど、それも全部二人の気持ちを強くするために必要だったこと。

「ほんとにきれいだな。」

隣にいる隼太もこの美しさに見とれている。

「亜砂果」と彼が私の名前を呼び、そっと手を握った。

返事をする代わりに彼の方を見て少し首をかしげると、

「俺が一生お前を守っていく。笑顔にする。だから、年をとってもこうして二人で手をつないでいよう。」

と言って隼太は二度目のプロポーズをくれた。
そしていつから持っていたのかは分からないけど、手には1輪のダイヤモンドリリーが握られている。

人生最高の瞬間。
こんな幸せを感じられるチャンスは、長い人生の中でもそんなにないと思うの。
そんな素敵なチャンスを私に与えてくれる隼太は、やっぱり私の救世主だよ。

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