想い花をキミに
この状況でもまた突拍子もないことを言い出すものだから、呆気に取られてしまう。本当に調子が狂う。

「え?」

「だから、白くてきれいな肌してると思ったよ。確かに傷はあるけど、白いから余計に目立つっていうか、まあ、要は気にすんなってことだな。」

と隼太がよく分からない言い分を述べながら笑うから、

よくわからないけど、なぜかおかしくなって私もつられて笑ってしまった。

またまた完全に彼のペースだ。
それでも自分から切り出しておいて、この話を早く終わりにしたかった私は、これ以上言い返すのをやめて大人しく椅子に腰を下ろした。

「ほら、冷めるから早く食べるぞ。」

「う、うん。」

私たちは隼太が用意した朝ご飯を黙って食べた。
お茶碗に盛られた白米とおかずをを黙々と食べていると、

「そういえばさ、昨日はあんなんだったからつい泊めちゃったけど家は大丈夫なのか?」

隼太の素朴な問いかけに一瞬でにあの女の記憶がよみがえった。

「ぜ、ぜんぜん。大丈夫だよ……」

一瞬でも昨日の出来事を忘れかけていた自分に驚きながら、途端に動揺し始めた私の返事はものすごく頼りない感じになった。

「でも、もうこれ以上は迷惑かけられないし私──。」

帰るね、そう続けたかったけれど、私に帰る場所なんてないことに気が付いた。

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