想い花をキミに

痛みで意識が飛びそうになる。

「ご、ごめんなさい...、ごめ、んなさい、やめて...」

でもこの女は殴るのをやめなてくれない。「あんたさえいなければ。」と反乱叫になりながら、いつも気が済むまで私を痛めつけるの。それしかストレスの発散方法がないとでもいうかのように。

でも今日はいつもよりひどい。

呼吸もできないほど何度も腹部を蹴られて、私は激しくむせこんだ。

苦しくて涙が出る。

何のために耐えているのか分からなかった。
生きるため？こんな生活をしていて生きる価値なんて見つけられるはずない。

痛みに耐えながらうずくまる中で、私の中の何かがプツンと切れた気がした。

「…だ..。」

「は？何言ってんの？」

「も……ぃだ……」

「何ぶつぶつ言ってんのさ！この。」

はっきり聞き取れないことに対するいら立ちのせいでいっそう不機嫌になったあの人が、もう一度私を蹴り上げようと片足を振り上げたところで、

「もういやだ！！」

私は継母に体当たりして、そのまま部屋を飛び出した。

あの人は反動で後ろに大きくバランスを崩してひっくり返る。

その隙に、私は全力で走った。

転びながらも悪態をついているあの人に背を向けて全力で──

行くあてなんてどこもなかった。

でももうここにいるべきじゃない、そう思ったから、私は全力で走って走って、また走って、そうして今に至る。

このまま眠ってしまおう。生きていても意味がないし。
この寒さだから、きっと凍死できるんじゃないかなって思うの。私にはコートも手袋もないから。
今朝の天気予報では今年一番の寒波が来るって言ってたな。
ちょうど雪も降りだしてきて、寒さは一層増すだろうしこんな機会はもうないかもしれない。