想い花をキミに
「もしかしたらクリスマスの奇跡でまた会えるかもって、そんな期待があったんだ。最初は来ないなって思って一回家に帰ったんだけど、やっぱりただ待ってることなんてできなくてもう一回公園に行ってみたら……本当に奇跡だと思った。」

そこまで話すと隼太は私を引き寄せ、まるで割れ物を触るかのように優しく抱きしめた。

「変だよな。お前あんなに怪我してんのに奇跡なんて。でも俺本気でそう思ったんだ。」

「変じゃないよ。隼太に出会えて嬉しかった。」

二度も隼太が私を救ってくれた。
あの日偶然だとしても隼太が見つけてくれたことは私にとって奇跡だったと思う。

「隼太」

「ん?」

「隼太に会えて良かった。」

「俺も。」

このガラスのコップのように、今のこの時の輝きをを大切にしていきたい。
テーブルに並べられたコップがライトに反射してキラキラと輝いていた。





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