想い花をキミに
「好きな人は、いるよ」

隼太の事は好きな人と濁しておいた。
だってあれこれ聞かれたら恥ずかしいから。
私の答えで会話の熱が更に盛り上がって行く。

「きゃーー！どこの人？？」

「西高かな。」

「レベル高いところじゃん！すごいね！」

「告白はしないの？」

「うん、いつか？」

やっぱり自分の事を話すのは恥ずかしい。

「好きな人はいるんだね。でもそれならまだ、私の友達にもチャンスがあるってことか。」

と友達が何気なく言った言葉にドキッとする。

「え？」

「今はその人が好きでも、会ってみたらやっぱりこっちの方が良かったってこともあるでしょ？会うまでは私の知り合いの男子にもチャンスはあるってことだよ。」

「いーねいーね。デートしちゃえ！」

「そんなの無理だよ……」

私は隼太の存在を隠してしまったことを後悔した。
だけど今更やっぱり彼氏がいますなんて言い出せないから、みんなが口々に「会うだけ会ってみれば？」とか「まずは会うべきだよ」って言ってるのを黙って聞いていることしかできなかった。

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