想い花をキミに
私、怪我してたんだった。

体中に広がる疼きに耐えきれなくて、私はその場にしゃがみこんだ。

それまで笑みを浮かべていた彼も急に真顔になると、同じように私の隣にしゃがみ込んで、

「お前さ、この寒さなのに薄着だし色々怪我してんじゃん。こんなとこで寝てたわけだし酔っ払いにしては若すぎるからなんか事情があるんだろうけど、取りあえず俺んちに来な。話はそれから。な、行くぞ。」と私の肩を支え歩き出そうとした。

今会ったばかりの男の子についていくなんて普段なら絶対にしないけど、この時はどうしてかこの人は大丈夫ってそう思えたの。

「うわ、お前裸足なの?ありえねー、寒いだろうが。」

私の体を支えて歩いていた彼が、私の足元に目を向けてさらに驚いた声を出す。

そして、少し考えた後に「ほら乗れよ」と私の前に背中を向けてしゃがみ込んだ。

「い、いいよ大丈夫……歩けるから。」

「よくねーよ。そんな状態で歩かせられるわけないだろ。俺は男だし、お前一人背負って歩くくらい余裕だから乗れよ。」

「でも……」

「いーから。ほら。」

初対面の人におぶってもらうなんて申し訳ないことこの上ないけど、彼の説得に負け、仕方なくおぶさることにした。

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