想い花をキミに
読めば隼太の好みがちょっとは分かるかな
そんな思いから私はこの本を借りることにした。

読んだら隼太に感想伝えよっと。

宝物を見つけたような気分で図書館を後にする私がなんとなく窓の外を見ると、
雨はすっかりあがっていた。

誰もが傘を閉じて歩く中、私は大好きな隼太の姿を見つけたの。
駅前の図書館の前は隼太の通学路だからってのもあるけど、こんなに大勢の人がいる中ですぐに彼を見つけてしまう私はある意味すごいんじゃないかってちょっと得意な気分になった。

久しぶりに見る彼の姿に夢中になっていると、一人の女の人が駆け寄っていくのが見えた。
見たことないけど、多分先輩だ。

声をかけられたであろう隼太は立ち止まり、そしてごく自然に、駆け寄った先輩と肩を並べて歩き出した。

"ズキ"っと胸に何かが刺さるような音がした気がした。

胸がドキドキして心拍数が上がってくるのが分かる。
ただ一緒に歩いているだけなのに、そんなことさえ許せないほど私は隼太を独占したいって思ってるのかな。






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