想い花をキミに
モヤモヤしたまま通学路を歩いていると、丁度と帰宅途中の隼太に会った。
帰宅途中って分かったのは隼太がいつも通学の時にだけ使うに鞄を持っていたからで。
今日はあの先輩はいないみたい。

「亜砂果!久しぶり。」

私を見つけると笑顔で駆け寄ってくる彼。

屈託ない純粋な笑みを浮かべている彼に私の顔もつい緩んでくるけど、人の気も知らないでこのバカって心の中で思った。

「今帰り?うち寄ってく?」

「いいの?」

「いいのって今更聞くことでもないだろ。」

って彼が笑うから、単純な私は嬉しくなって自分から彼の手を握った。
「そんなに嬉しいのかよ。」って隼太はちょっと呆れた感じに言うけど、嬉しいに決まってるじゃない。
自分も私に会えない時に寂しがってたくせに、今は私がどれだけ寂しい思いをしているかちっとも分かってないんだから。


隼太の家に着くと同時に私は寂しさを振り払うように彼の胸元にしがみついた。
そんな私を黙って受け入れる彼。
そして何も言わなくても私が欲しいものを全部くれるの。
彼が与えてくれる温もりを求めて、私は溺れていった。

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