想い花をキミに
あっけにとられ、言葉を失う。これがライバル宣言ってやつ?
こんなに堂々と宣戦布告されるとは思っていなかった私は頭の中が真っ白になった。

欲しいって、隼太が好きってこと……?

冗談じゃない。彼女は私、そう言おうと思ったけど、「好きにしろ」って言った彼の言葉を思い出し、喉元まで出かけた言葉を飲み込む。

今の私に堂々と彼の彼女を名乗る資格はない。
友達にすら彼氏の存在を伝えられないのにどうして彼女面できるっていうの。

余裕たっぷりに微笑む先輩の笑顔にめまいがしそうな感覚を覚える。

それと同時に芽生えてくる恐怖。

負ける──

そんな気がした。


「私、本気でいくからね。」

帰り際に先輩が放った一言が私の不安を煽る。
その目は隙さえあれば王座を奪ってやろうと機会を伺う獲物のようで、

どうしていいか分からない。

このまま何もしなければ確実に隼太を失うような気がするし、何かをしたところで上手くいかないような気もする。

どうしたらいいの……

次の日も先輩はまた私の前に現れた。
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