想い花をキミに
考えたことなかった。
私たちの関係に終わりがくることなんて。

「でも安心して。あなたと別れたら私が彼をもらうから。」

まるでもう既に自分が彼女であるかのような口ぶりで話す先輩に殺意すら湧いてくる。

「隼太と付き合えたら幸せよね。あんなにいい男なんだから」とその場にいない彼を思い出しながらうっとりとした様子で独り言のように語る。

次はこの人と付き合うの……?
まだ私何も言ってないのにもう終わりを予感してるの?

「……ざけないでよ」

「は?何ぶつぶつ言ってるのよ?言いたいことがあるならはっきり言……」

「ふざけんじゃないわよ!」

パンっていう乾いた音とともに私の右手が痛む。

気が付くと私は先輩の頬をを叩いていた。

「なにすんのよ!」

先輩が私の頬を叩き返す。

叩かれた頬に鋭い痛みが走り、涙目になる。
だけど負けじと赤くなった目で先輩をキっと睨んで、

そこからはもう醜い女の戦争だった。















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