想い花をキミに
「それはいいけど、帰ってこない時は連絡くらいしてくれないと心配になるじゃん。」

と唇を尖らせて上目遣いで彼を睨む。

「ごめんな。」と彼はさらに優しく私の髪を撫で、ご機嫌をとるかのような声で「次からそうするから。」と言った。

「絶対だよ。」と念を押し、私はまた眠りの世界へ落ちていったの。


だから私は隼太が話したくなる時期になるまで待つことにしたんだけど。

ちゃんと待ってはいたんだけどね──。


これで何度目か分からない隼太の朝帰り。
最近頻繁な気がした。いや、絶対に頻繁だ。
1週間に4回も朝帰りって普通に考えておかしいよね。

そして今回も何も語ろうとはしないであろう彼を私は待ちかまえていた。
話したくなる時期なんて待っていられない。
私には今がその時期なの。

「起、きてたのか。」

部屋に入るとドアの前に正座して座っている私に驚いた声を出す彼。
今日という今日は聞いてやらないと気が済まない。

そう思ったから待ってたの。

「お帰り。」

「ただいま。」

私の言葉に素直に返事をする。ここまではいい。

「今日はまたどうしてこんな時間になったの?」

チラッとこちらを見るけど、その質問には無言を貫く彼。
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