親友のカラダ


『大人になってんだね』

とルキはまるで親の様な目をして言って、後ろから静かにあたしを抱きしめた


優しく強く

優しく優しく



『…翔?』



『早くここまでおいで』


そう言うと優しく頭にキスをした


あのとき、あたしは意味がわからなかった


ただルキは何かを悟ってたって事。


『早く着替えて行けよ』


『あ。うんそだね』


あたしはプリンプのピンク色のスウェットに着替えて1000円で買ったピンクのラジカセに、学校の荷物を持った


『ぢゃ、行ってくんね!』

『行ってらっしゃーい』




ルキ…


あんまり遠くに行かないで?


あんまり遠いとあたしルキを忘れちゃいそうになるよ




本当は寂しいよ…




ルキのマンションから駅までの道は
ルキへの寂しさと、自分への期待を膨らませた。



離れたくはないよ。


ルキ
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