社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
それって、子供の頃から、私を思ってくれてたって事でしょ?

どうしよう。

全然重くないよ。

すっごく嬉しい。

今すぐ、『修ちゃん、大好き』って抱きつきたい気分。

私は机の下で、こっそり修ちゃんの手を握った。

修ちゃんは一瞬、驚いた顔をしたけど、にっこり微笑んで、指を絡めて繋ぎ直してくれた。

ふふっ
こういうの、ドキドキする。


それからしばらくして、歓迎会は終了した。

私も修ちゃんも二次会に誘われたけど、断った。

修ちゃんが、

「早く帰って、家で彼女とイチャイチャしたい
ので。」

と言うと、

「キャー!!!」

と女子社員の絶叫とも言える悲鳴が上がった。

私は、

「社長を無事家まで送り届けるのも、私の仕事
ですから。」

と断った。
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