社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「のどか、一体、誰の紹介で面接受けに
来たの?」

「え? あの、ご近所の安井さん…
あっ!!」

安井さんって、修ちゃんのお母さん!!

「まさか、しゅう…ちゃん?」

恐る恐る聞いてみると、

「ピンポン!」

と修ちゃんは楽しそう。

社長が誰かは分かったけど、社宅は?

「立ち話もなんだから、とりあえず、中、
入ろ?」

修ちゃんは私を玄関に促す。

玄関を入ると、左側に階段があり、右側に廊下が伸びている。

「のどかの部屋はこっち。」

と修ちゃんは左の階段を上がる。

2階に上がるとドアがいくつかあり、修ちゃんが説明していく。

「左手前がトイレでその奥がお風呂。
で、右がリビング・ダイニング・キッチン。
ダイニングを抜けた奥が寝室。
一応、家具や家電は、前に使ってた物が
そのまま残ってるから、ちょっと古いけど、
使って。
足りない物は、言ってくれれば、俺が貸すし、
必要な物は、明日一緒に買いに行こう。」
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