社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
かわいい〜!!

「おばさん、この子、のどかって言うの?」

「そうよ。ボク、この辺の子?」

「うん! 僕ん家、そこ。」

俺は、一軒隣の家を指差した。

「そうなの。おばさん家はね、そこから、1軒、
2軒、3軒向こうの煉瓦のおうち。
のどか、お兄ちゃんの事、気に入ったみたい
だから、時々遊びに来てやってね。」

そんな社交辞令を間に受けた俺は、それから時々、のどかの所へ遊びに行くようになった。



俺には3歳年上の兄がいる。

きっとどこでもそうだと思うが、弟とは、兄の家来で奴隷で召使いのような存在だ。

だから、俺は兄と遊ぶより友達と遊ぶ方が多かった。

友達が習い事などで遊べないと、俺はのどかの所へ行く。



親友の幸太郎の所には、弟も妹もいる。

すごく可愛くて、羨ましかった。

だけど、のどかは、幸太郎の妹より、ずっとかわいいんだ。

俺が行くと、天使みたいに笑ってくれる。

だから、俺は、何をするでもないのに、のどかの所へ遊びに行くんだ。
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