社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
プライバシーは守られてるけど、お互いの部屋を自由に行き来できちゃうんですけど…っていうのは、言わない方がいいよね?

せっかく、ようやく見つけた就職先だし。

「はい。」

「じゃあ、ここに住むに当たってのお願いは
1つだけ。」

お願い?

「のどか、彼氏とかいる?」

へ? いきなり何?

私は首を横に振った。

「じゃあ、問題ないかな?
男を連れ込まないで欲しいんだ。
やっぱり、2階からのどかのそういう声が
聞こえたら、心穏やかではいられないから。」

は!? そういう声って、アレの時の!?

「のどかは、昔から、俺のかわいい妹だった
からね。
お兄ちゃんとしては、いつまでもかわいい
妹のままでいて欲しいんだよ。
女の部分は出来るだけ見たくない。」

「はあ。」

「のどかから、何か質問とかある?」
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