社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「え? なんでですか?」

「だって、隣にこんな美人秘書がずっと
付いてるんだよ?
寄って来れないでしょ?」

「へ?」

美人秘書って、私?

「へ?って。」

修ちゃんはクスクス笑う。

「じゃ、重い物とか、手伝いがいる時は、声
掛けて。
俺、今日は一日ここで仕事してるから。」

「え!? もしかして、お仕事があるのに私の
ために持ち帰られたんですか?」

「あ? ああ、違う、違う。
俺、寝てる時以外は大抵、仕事してるから。
ま、だから、いつも振られるんだけどね。」

と修ちゃんは笑ってみせた。

私は、立ち上がって、飲み終えたカップを片付ける。

「いいよ。そんなの、あとで俺がやるから。」

「いえ、これくらいは。」

私は、洗い物をして、2階へと戻った。
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