社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「え? でも… 」
のどかが困惑した顔をする。
「もう、面倒見のいい近所のお兄ちゃん
じゃない。
のどかの恋人なんだから、修努って呼んで。」
「しゆう…と?」
のどかが初めて、俺を呼び捨てにした。
「うん。もっと。」
「修努。」
「うん。」
「修努、だいすき。あいしてる。」
「のどか…
俺も、のどかを愛してる。
きっとのどかが思ってる以上に。」
俺は、もうのどかが愛しくて、自分を抑えられなかった。
のどかは、必死で俺にしがみついてた。
俺は、ちゃんとのどかに優しくできただろうか?
俺だけの独りよがりな行動を取らなかっただろうか?
のどかを好きすぎるあまり、不安になる。
のどか、嫌な事は嫌ってちゃんと教えて。
俺、のどかの言う事なら、何でも聞くから。
翌朝、シャワーを浴びたのどかが俺の寝室へ戻ってきた。
両手にシーツを抱え、洗濯機に押し込む。
そうだよな。
のどか、ごめん。
ありがとう。