社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
翌週、月曜日。

満井社長から、秘書同伴での会食の申し入れがあった。


翌日、俺たちは、謝罪をすべく、レストランへ向かった。

「先日は、せっかくのご厚意を踏みにじる
ような事をしてしまい、申し訳ありません
でした。」

満井社長の顔を見るなり、俺は謝罪して頭を下げた。

「話は、娘から聞きました。
どうぞお掛けください。」

満井社長は怒ってはいなさそうだ。

のどかが俺の後ろに立っていると、

「そちらの秘書さんも、お掛けなさい。」

と仰ってくださる。

のどかが俺に視線を送って来たので、俺は頷いてやる。

のどかは素直に俺の隣に腰を下ろした。

「娘が言ってました。
安井くんの秘書さんが、安井くんの長年の
想い人だと。
本当ですか?」

俺はのどかの顔を見て、

「はい。」

と答えた。

「でも、そちらの秘書さんは、うちの娘との
話に乗り気だったように見えましたが。」

「それは… 」

俺は、机の下でのどかの手を握った。
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