社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
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年末。

休暇1日目に、私たちは修努の車で帰省した。

10時半過ぎに修努の家に車を止め、3軒隣の私の家へ歩いて行く。


ピンポーン ♪

チャイムを鳴らすと、母がすぐに扉を開けた。

「のどか、おかえり。」

「ただいま。
こちら…」

「お久しぶりです。安井修努です。」

修努は私が紹介する前に、自分で挨拶をした。

「え? 修ちゃん?」

母が戸惑った顔をする。

「とりあえず、入っていい?」

私が言うと、母は慌てて、

「あ、そうね。どうぞ。」

と中へ入れてくれた。
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