社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
「ちょっ、修ちゃん!
起きて、修ちゃん!」

私が声を掛けると、モミモミは止まった。
胸は掴んだままだけど。

「ん? のどか? おはよう。」

修ちゃんは寝ぼけた声で言った。

「修ちゃん、おはようじゃないわよ。
手! 離して!」

「手?」

修ちゃんは寝ぼけてるのか、そのまま動かない。

「のどか、いい匂いがする。」

修ちゃんは、私の首筋にさらに鼻を近づけて、スンスンと匂いを嗅ぐ。

息を吸えば、当然その後には吐くわけで。

首筋に修ちゃんの吐息がかかる。

イケメンに胸を揉まれて、首筋に吐息をかけられて…

女だって、欲情するんだぞ! と言いたい。

私は、自分の手で修ちゃんの手を持ち上げた。

「修ちゃん、どこ触ってるのよ! エッチ!」

私がそう言って、修ちゃんは初めて自分の手が何を掴んでたのか、気付いたようで、

「うわっ! ごめん!
いや、ワザとじゃないんだ。
それだけは、信じて。」

と訴えてきた。
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