社宅は社長の家の2階でした【佳作受賞】
はぁ………

私は、寝返りをうって、修ちゃんの方を向いた。

「修ちゃん、分かったから、シャワー浴びて
来たら?
いい男が台無しだよ?」

私が、修ちゃんの頬に手を添えると、修ちゃんは目を見開いて、

「俺、ゆうべ、なんかした?」

と心配そうに尋ねた。

私はそんな修ちゃんが可愛くて、ちょっとだけ意地悪をしたくなった。

「修ちゃん、覚えてないんだ?」

私が言うと、修ちゃんはさらに焦る。

「いや、その、俺、酔ってたけど、いい加減な
気持ちじゃないから。
のどかの事は、真剣に!」

そう言うと、修ちゃんは体を起こして、私の顔の両側に手をつき、上から私を見下ろした。

え? 修ちゃん!?

「あの、修ちゃん?」

次の瞬間には、私の唇は完全に塞がれていた。
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