そっと
褪せる色
そっと色が褪せていく。

わたしは、それを見るだけで
褪せる色にも触れることが出来ない。

焦っている、聞き間違えた君は
気づかない。
気付かないふりをしているだけだろうか。



この色は元、何色だっただろう。

紫陽花の色は何色というくらい、
多様性を確認するだけの疑問だ。

「きっと、僕が見るのが初めてなだけなんどろうね」
「初めて起きることなんて、46億年もたってるんだ、ほとんどないでしょ」

残念そうな色を残しながら、君は笑う。

あの色は何色だったか、
次々に生まれては死ぬ色を
一つ一つ覚えているのも無駄だ。

私は寒色だけど暖かい、
その色を大切に握った
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