同期の溺愛は素直に受けて正解です
その日は、誰もわからないくらい、ほんの少し気持ちが悪く頭痛も感じていた。

雨が長く続いて、ジメジメとしていて、換気の悪い教室の空気を淀ませていたことも原因の1つ。

休むほどでも、病院へ行くほどでも無い。

だから、市販薬を飲んで、時間が過ぎるのを待っていた紗菜。

そんな紗菜の様子に俊貴は気づいていた。

さり気なく水のペットボトルを机の上に置いてくれた。

買って来てくれたばかりのそれは、小さな水滴がボトルに集まり始めていた。

ありがとう、と小さく返し蓋を開けてコクリと喉に流し込めば、身体に水と一緒に気分はスッキリとしたが、じわじわと心に色が広がった。






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