決して結ばれることのない、赤い糸
ようやくわたしも、写真のなっちゃんくらいまでの髪の長さになった。


お母さんにも、なっちゃんみたいでよく似合っていると前に言われた。


そう、――お母さん。


…って、わたしもなにお母さんのこと思い出してるんだろう!


わからず屋のお母さんなんて、もうどうでもいいんだから。


『隼人くんと別れなさいなんて言ってごめんね。お母さんが悪かったわ』


なんて言って謝ってくれるまで、お母さんとは口を利きたくなかった。


――しかし、そうもいかないこともある。


「いいか〜。なるべく早く、親御さんといっしょに行くんだぞ〜!」


終礼のとき、先生がクラス全体に呼びかける。


その話の内容とは、この2学期のうちに予定されている修学旅行についてだ。


天川高校の修学旅行は、1年生の2学期の12月にある。
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