決して結ばれることのない、赤い糸
わたしのせいで、隼人との友達関係も崩れるのはいやだったから。



それから、あっという間に月日は流れた。

隼人への想いを忘れることはできないけど、振られた心の傷は少しずつ癒えてきている。


そして、冷たい北風が吹き始める12月となった。


「優奈。なんか最近、カップル多くない?」


わたしはキョロキョロしながら、優奈といっしょにお昼休みの廊下を歩いていた。


「あ、そうかっ。クリスマス前だからかな?」


人肌が恋しいこの季節。

クリスマスに向けて、付き合う人が多くなるのは必然的なこと。


「まぁクリスマスが近いっていうのもあるけど、それだけじゃないんじゃない?」

「…え?」

「だって、クリスマスよりも大事なイベントがもうすぐあるじゃんっ!」


優奈にそう言われて、わたしは納得した。
< 271 / 320 >

この作品をシェア

pagetop