決して結ばれることのない、赤い糸
失われた記憶
楽しかった夏休みは、あっという間に過ぎ去ってしまった。


2学期になって、また毎日同じ教室で隼人と顔を合わせることができ――。

部活終わりは、家まで送ってもらったりもした。


学校でもいっしょにいて、休みの日もいっしょに遊んで。

もちろん、優奈とカズもいる。


毎日毎日いっしょにいるのに全然飽きなくて、どんどん隼人を好きになっていく。


そんな関係が続き、順調に月日は流れ――。

気がつけば、中学1年生が終わろうとしていた。


隼人と付き合って、もうすぐ8ヶ月。


2年生もいっしょのクラスだったらいいね。

なんて話をしながら、修了式の帰り道を歩いていた。


「隼人。このあと時間ある?」

「大丈夫だよ。お昼ご飯、どっかで食べて帰る?」

「ううん、そうじゃなくて。お母さんがね、隼人もいっしょにお昼を食べないかって、メッセージがきてて」
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