決して結ばれることのない、赤い糸
「そうなの!?」


隼人が言う、イルミネーション。

それは、わたしがずっと観に行きたかったものだった。


冬休みに約束していたけど、わたしが風邪を引いてしまって行けなかった。


そしてなかなか都合が合わず、期間終了になり――。

もう観れないと思っていたけど、期間延長になってたんだ…!


「行きたい、隼人!」

「じゃあ、予定を決めようかっ」

「うん!」


明日からは、春休み。

だけど冬休みといっしょで、あっという間に終わっちゃうんだろうな。


できれば終わってほしくない。

でも、隼人とのイルミネーションのデートは早くやってきてほしい。


そんな気持ちを胸に抱きながら、わたしは春休みを過ごしていた。



まさかこのデートで、隼人と離ればなれになるなんて。

桜が咲く新学期には、隼人が学校からいなくなるなんて。
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