別のお話。

そのせいでいつもより強く風が顔に当たる。

「春人!スピードだし過ぎじゃない?危ないよ」

「大丈夫。人通り少ないし気持ちいだろ?」

「怖いよ」

「しっかり掴まってれば大丈夫」

「もう、仕方ないなー」

広い道路にでるまでの間そうやって坂道を駆け下りた。

そこからは俺のと、シヅキの分だけ少し重くなったペダルを漕いで駅まで向かった。

駅前の駐輪場に自転車を止めて駅までの距離を並んで歩く。

それから改札を通ってまだ人の少ないプラットホームで電車が到着するのを二人で待った。
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