別のお話。
「うん。男の子ってそうだよね。でも寂しかったなぁ」
「ごめん」
「別に怒ってはないよ。春人の気持ちも分からないでもないし」
「うん。それもだけど……」
謝罪したい気持ちはあるのに喉が詰まって声が止まってしまう。
だけど俺たちには時間がないから、俺は一つ息を吐いてから声を振り絞った。
「あの時、シヅキをうちに連れてってあげればよかった。
そうすればシヅキはあの時間にあの場所を通らなかった。
帰りが遅くなれば俺はシヅキを家まで送り届けてた。
そうすればシヅキは事故に合わずに済んだ。
シヅキ……ごめん。ごめんなさい」
そう言ってシヅキは静かに微笑んだ。
俺には無理だ。
君みたいに強くない。
受け入れられない。
どうして俺たちには終わりしかない。
俺はこんなにも君が好きなのに。
いつまでもずっと、君と一緒に居たかったのに。
どうして俺たちには未来がない。
「春人。泣かないで?悲しいことじゃないんだよ。
だってよく考えて?
普通なら一度死んでしまえば二度とこっちには戻れないはずなんだよ?
だけど私は戻れた。もう一度、あなたに会えた」